PROFILE

松本茂高  Shigetaka Matsumoto

1973年神奈川県生まれ。21歳の時に初めて訪れたアラスカの原野に圧倒され、現在もアラスカを中心とした旅を続けている。
ニコンサロン新宿、モンベル、コニカミノルタプラザ新宿、山梨県北杜市津金学校などで個展を開催。




2018年10月18日木曜日

The Great One

“偉大なるもの”

Denali (6,190.4m)

Autumn photos of "the Great One"


今年も “偉大なるもの” の麓でバックパッキングをすることができた。

24年前に初めてアラスカを訪れた時もデナリの麓でキャンプをした。
長い間、アラスカ山脈を隠すように覆い続けていた雲が、夕刻に突然晴れ、初めて目の前に姿を表したデナリの大きさに圧倒されたことが、ついこの間のように思われる。

デナリ。
僕はこの山の麓でキャンプをしながら過ごすことが何よりも好きだ。




残照を浴びてピンク色に染まったデナリ。







2018年10月12日金曜日

Evening Crane

夕鶴


Sandhill Cranes - カナダヅルの渡り

白夜の終わりとともに北極圏で営巣を終えた50万羽のカナダヅルが、アメリカ南部の越冬地へと渡って行く。

もう20年以上も前から、僕は9月のデナリ国立公園の紅葉の美しさに惹かれて何度もキャンプを続けてきた。そして、この時期になると決まって何処からともなくツルの鳴き交わす声が何処からともなく聞こえてくるが、その声の大きさとは裏腹に、辺りを見渡しても何も見つけることができない。しかし、しばらくその声の方向を見つめていると、自分が見当をつけていた場所よりも遥かに高く、ツルの群れが編隊を組んで飛んでいることに気がついた。

6月の白夜の北極海のほとりを旅したとき、ツルの鳴き声を枕にぼんやりとテントの中で過ごす時間がとても好きだった。そして、夏の北極海のほとりで、24時間の太陽エネルギーを享受して、すっかりと大きく育った若鳥たちは、親鳥とともに初めての長い旅に出て行く。そして、9月のデナリ国立公園の上空で必ずと言っていいほど、僕はツルの渡りに出会ってきた。

今年は数日間の間で、数百羽の群れを朝から夕方までひっきりなしに僕のキャンプ地の上空を飛んで行った。物凄い数である。北米最高峰のデナリの麓で上昇気流に乗るためにぐるぐると旋回をしながら高度を上げ、そして気流に乗って一気に渡ってゆく。

デナリ国立公園 2018年9月

















Denali National Park and Preserve, Alaska.   September 2018