Backpack
たくさんの夢が詰まってずっしりと重く肩と背中に食い込むバックパック。しかし、腰ベルトをしっかりと締め、体に固定した途端、魔法のようにこの背負った重さが分散される。
もうこのザックとも10年以上も極北の原野を一緒に旅をしたと思うとなんだか感慨深い。そして、最初にアラスカで使用したのがまさにこの場所だった。それからブルックス山脈や氷塊の浮かぶ北極海、アラスカ太平洋沿岸部やクイーンシャーロット島、そして巨木の立ち並ぶバンクーバー島の原生林。様々な夢を詰め込んで一緒に旅を共にしてくれた。
最近は、ところどころほころびが目立ち始め、色もすっかり変わってきてしまった。でも、まだまだ現役でバリバリ行くつもり。新しいものに買い換えようにも、このザックに変わる安定感のある大きなバックパックが見当たらないのだ。だからもう少し頑張ってくれるかな。今以上に大事に使うから。
Denali National Park and Preserve, Alaska Aug 2017
しばらくテントを張ってデナリが姿を現すのを待った日々。シャイでなかなかその姿を見せてくれない。パッキングを済ませ、この場所を離れなければならない日の朝、初めてデナリがその全容を現した。何度もこの場所を訪れて何回も見てきているのに今更ながらに、こんなにデナリって大きかったっけと思う。しばらくの間、名残惜しくてぼんやりと眺めていた。
極北の原野を吹き抜ける風がなんとも心地よい。また来るのだろうな、きっと。
Denali National Park and Preserve, Alaska Sep 2007
10年前、初めてこの場所からこのバックパックを背負ってデナリを眺めた。その時の感動が今もずっと続いていて、またこの場所に足を運ばせてくれているのかもしれない。
10年の時を経て、デナリとその麓に広がる原野は、厳然としてそこに在るだけだ。
Denali National Park and Preserve, Alaska Sep 2007
このバックパックのにはたくさんの夢が詰まっている。