PROFILE

松本茂高  Shigetaka Matsumoto

1973年神奈川県生まれ。21歳の時に初めて訪れたアラスカの原野に圧倒され、現在もアラスカを中心とした旅を続けている。
ニコンサロン新宿、モンベル、コニカミノルタプラザ新宿、山梨県北杜市津金学校などで個展を開催。




2018年12月26日水曜日

羽黒山杉並木

Avenue of cedars


出羽三山(月山 湯殿山 羽黒山)

表参道の両側に樹齢350年から500年の杉並木が続く。
その数は400本以上。

国の特別天然記念物に指定されている。















樹齢1000年の巨杉「爺杉」周囲10メートル


国宝羽黒山神社五重塔








2018年10月18日木曜日

The Great One

“偉大なるもの”

Denali (6,190.4m)

Autumn photos of "the Great One"


今年も “偉大なるもの” の麓でバックパッキングをすることができた。

24年前に初めてアラスカを訪れた時もデナリの麓でキャンプをした。
長い間、アラスカ山脈を隠すように覆い続けていた雲が、夕刻に突然晴れ、初めて目の前に姿を表したデナリの大きさに圧倒されたことが、ついこの間のように思われる。

デナリ。
僕はこの山の麓でキャンプをしながら過ごすことが何よりも好きだ。




残照を浴びてピンク色に染まったデナリ。







2018年10月12日金曜日

Evening Crane

夕鶴


Sandhill Cranes - カナダヅルの渡り

白夜の終わりとともに北極圏で営巣を終えた50万羽のカナダヅルが、アメリカ南部の越冬地へと渡って行く。

もう20年以上も前から、僕は9月のデナリ国立公園の紅葉の美しさに惹かれて何度もキャンプを続けてきた。そして、この時期になると決まって何処からともなくツルの鳴き交わす声が何処からともなく聞こえてくるが、その声の大きさとは裏腹に、辺りを見渡しても何も見つけることができない。しかし、しばらくその声の方向を見つめていると、自分が見当をつけていた場所よりも遥かに高く、ツルの群れが編隊を組んで飛んでいることに気がついた。

6月の白夜の北極海のほとりを旅したとき、ツルの鳴き声を枕にぼんやりとテントの中で過ごす時間がとても好きだった。そして、夏の北極海のほとりで、24時間の太陽エネルギーを享受して、すっかりと大きく育った若鳥たちは、親鳥とともに初めての長い旅に出て行く。そして、9月のデナリ国立公園の上空で必ずと言っていいほど、僕はツルの渡りに出会ってきた。

今年は数日間の間で、数百羽の群れを朝から夕方までひっきりなしに僕のキャンプ地の上空を飛んで行った。物凄い数である。北米最高峰のデナリの麓で上昇気流に乗るためにぐるぐると旋回をしながら高度を上げ、そして気流に乗って一気に渡ってゆく。

デナリ国立公園 2018年9月

















Denali National Park and Preserve, Alaska.   September 2018



2018年8月6日月曜日

旅の最後の夜

The last night of the wilderness trip




バックパッキングとパックラフトの旅をスタートさせてから2週間目の夜。相変わらず、夜になっても太陽は地平線上に留まっている。

明日はセスナ機が僕たちを迎えに来てくれる日だ。この風景も今夜で終わりだと思うと少し感傷的になり、テントの中へ入らずにいつまでも北極圏の冷たい風に吹かれていた。

ふと、セスナ機をチャーターして何もない原野に降ろしてもらってからずっと、まだ一度も人工物を見ていないことに気づく。そう、ここは1000年前と何も変わらない手付かずの自然が広がっているんだ...。僕らはなんて貴重で贅沢な時間を過ごしているのだろう。

また来よう。また来れば良いんだね。

2018年6月 北極圏国立野生動物保護区










2018年7月27日金曜日

ワタスゲ

Cotton grass of the Arctic




夏のアラスカ北極圏。沈まぬ太陽とツンドラの大地一面に群生するコットングラス(ワタスゲ)。

極北の冷たい風にゆらゆらと揺れるワタスゲの姿は、極北の大地を旅する者に穏やかな気持ちと夏の在り処をそっと教えてくれる。

随分と遠くまで来てしまったものだ....

北極圏の旅の終わりを思わせる風景だった。













2018年7月20日金曜日

真夜中の虹

Midnight rainbow




アラスカ北極圏

時計はすでに午前一時を回っている。
白夜のこの季節、真夜中の太陽は地平線近くまで下がっていくが、決して沈むことはない。南の方角を振り返り、ブルックス山脈をぼんやりと眺めていると、山の麓に鮮やかな虹が空から降りてきた。

真夜中の虹




North slope of Brooks range, Alaska  2-July 2018 

2018年7月13日金曜日

Midnight sun

真夜中の太陽


26-June-18 1:05
Elevation 397m

N   69°16.983'
W  146°02.240'   Arctic National Wildlife Refuge

2018年6月26日深夜。 
北極圏国立野生動物保護区。
午前零時を過ぎても太陽は北の地平線上に姿を現したままである。

「太陽は東から昇り、西へと沈む」という観念は北極圏では通用しない。
そして、一日が朝と午前と午後と夜からなるという通念は、温帯地方に暮らす人たちの習慣に基づくものでしかない。

The idea that "the sun rises in the east and sets in the west"is not good in the Arctic. And the common idea that a day becomes from morning and the morning and the afternoon and evening is only a thing based on the customs.